中国の見方

日本での聖火リレーも終わり、胡錦濤国会主席の来日も終わった。

この件については少し落ち着いたようだ。

そこで、冷静に振り返ってみたいと思う。

日本での報道の在り方を見ると、ドミナントな日本人が
チベットを支持し、中国政府の対応を非難している(ように見える)。
私がGW中に接した天理教人もチベット支持派ばかりであった。

中国への批判は高まるばかりである。

私はチベットも中国も人並み程度のことしか知らない。
チベットの歴史は人民解放軍から50年ほどしか知らないし、
中国の人権問題は改善して欲しいし五輪も成功して欲しい。

中国に関して、日本で大騒ぎしている餃子も情報統制も軍圧も
中国が明確な志向性を持って対応しているとは思わない。

なかなか日本では言う人はいないが、
中国は共産党一党主義である。

それだけである。

もし共産党一党主義がどんなものかを理解している日本人がいたら
中国の食品、情報、チベットの中国の対応がいかに正常なものかは納得できる。

数百の少数民族を抱え、13億の人間を一つの党でまとめるには
中国は「これしか方法はない」とあらかじめレールは決まっている。
それが中華思想なのである。

反日は江沢民が云々
情報統制は民主的でない云々
毒入り餃子の検証は非科学的云々

こんなことは中国の事情考えれば大したことではない。

なぜなら、そうしないと国が成立しないという修羅なのである。

幸福にも日本という狭い島国では、単一民族で
人口は少なく、土地も小さく、インフラ整備も整っている。

そのためか、突然首相を辞める政治家をはじめ真剣さが感じられない為政者ばかりである。
また国の財布の紐を握る日銀の総裁が長期間不在でも
大きな障害が生じない小春日和な国なのである。

それが悪いと言っているわけではない。
そういう国なのである。
日本の為政者はほのぼのとガソリンの値段にあーだこーだと政治をして
中国の為政者はいつなんどき謀反や暗殺が起こり国際社会に非難されるか分からないのである。

そんな小春日和な日本人にとって中国は決して理解できない。
中国自身もギリギリの対応をしているのである。

そんな中国をなんとか理解しようと努めるのか
「フリーチベット」と叫んでいた日本人青年のように
「TVをみて中国が悪いのでチベット支持します」と言うのか。
どちらが建設的であり、陽気ぐらしに近いのか。

私は一体どの情報が本当で、何を信じたらいいのか分からない。
少し話は変わるが、
しどろもどろで「どっちつかず」の日本人は多いのではないかと思う。
一昔前に東京都知事が「Noと言えない日本人」(こんなタイトルだったと思う)という本を
書いて流行語までになったが、
相手の気持ちまで考慮し、きっぱり意見を言わないことこそ日本人の流儀である。
海外のことわざに「日本人ははっきりとものを言わないが、フランスの女性は
知らないことにまできっぱりと意見を言う」というのがある(らしい。フランスじゃないかも)

天理教人が好きな「慎み」という言葉も噛み砕くけば、こういうことなのかと思う。
嫌いな人間をも認めるというのは非常にシンプルだが、難度の高い人間関係である。
一体、どれくらいの日本人が中国人を愛せるのか。勘所である。